実は日本国内で合法的に使える救難機能を有したビーコン製品はそんなに多く有りません。
携帯電話網利用の製品
携帯電話網を利用する通信は通信距離が比較的短いため(10㎞程度)海洋沖合や、深い山岳などでは利用出来ないエリアが多い事、水面の波の影響などで断続的に通信が切れる環境下では例え圏内(通信エリアマークが複数立っている状態)でも通信出来ないことがある事に注意が必要です。また、多目的に利用出来るスマホはバッテリーを他の用途で使ってしまいイザと言うときにバッテリー切れの危険があることに気を付ける必要が有ります。(モバイルバッテリー等が必携です)
→海面0cmで使用出来る
→Q&A:スマホで助けを呼んでみよう
衛星電話利用の製品 (SPOT イリジウム)
通信エリアが地球全域で、ほぼ圏外が無い事が最大の強みです。かといって海外から持ち込まれた並行輸入品は違法となることもありますのでお気を付けください。弱点は高出力のためバッテリーの持続時間が比較的短いこと、その為送信間隔を長く取るなどで見かけの通信時間を長く表示する傾向があります。機能は概ね良い製品が多いです。但し通信費用が高いので常用するには向きません。エクストリームトレッキングなどプロ冒険家向け製品です。
PLB(パーソナルロケータービーコン)
これも衛星利用のビーコン製品です。他のビーコン類と違うところは受信した情報が海上保安庁へ直接届くことです。すなわち、スイッチON=海難事故となってしまうこと。事後、海上保安庁の聴取を受ける必要が出てきます。本当に死にそうにならないと使いたくない等の使用躊躇が逆にリスクとも言えます。 →呼出機能と遭難抑制
救難送信の初期は緯度経度を衛星に送信しますが、要救助者にヘリなどがアプローチする段階では衛星の信号が使えなくなる弱点があります。旧来の電波強弱でヘリが強い方向を探りながら近づいていくことになるため、PLBが複数同時に稼働すると方向が解らなくなる危険性があります。尚、PLBは海上でしか使用出来ません、PLBの貸し借りは禁止されています(法規定)
Bluetooth利用の製品
Bluetoothの相互通信、ネットワーク親和性を最大限生かしたビーコン製品が最近出てきていますが、通信距離が短すぎてアウトドア用途の救難ビーコンとしては使えません。通信ノードが多く有る都会では「紛失防止」などで上手く機能する設計です。
特定小電力無線利用の製品
廉価、費用が安いことが長所です。短所は通信距離能力が低い事でしょう。通信距離がビーコンとしては短い(数㎞が限界)さらに水面で使用すると数100mしか通信出来なくなります。従って海洋での利用には向きません。製品によっては電波の強弱で探し回らないと見つけられない(位置をピンポイントで示してくれない)ので使い勝手は要検討です。
SEAKER_L3
実はSEAKER_L3は「広義」では「特定小電力無線」に含まれます。ですが、他の製より通信距離が長く100倍以上遠くまで届きます。(数100m vs 見通し100km超)それでいて廉価で通信費用も安いし免許不要な点など、良い部分は受け継いでいます。